(報道発表資料)
2024年3月29日
NTTライフサイエンス株式会社
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の「統合型ヘルスケアシステムの構築」の参画について
NTTライフサイエンス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:是川幸士、以下「NTTライフサイエンス)は、国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区、以下「東京大学」)とともに、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)*1 第3期における「統合型ヘルスケアシステムの構築」 の「サブ課題A:研究開発支援・知識発見ソリューションの開発」における「A-3:臨床情報プラットフォームと連携したPHRによるライフレコードデジタルツインの開発」に参画いたします。*2
本研究では、未病・健常な段階から疾病発症、さらにその後の経過・予後に関する経時的なライフレコードを整備したうえで、データサイエンス手法を用いて疾病リスクの可視化を行い、疾病予防のための健康管理情報や治療最適化のための医療支援情報を提供することを目的とし、医療・ヘルスケアデータを用いたライフレコード型デジタルツインの開発および実用化をめざしてまいります。
*1 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー) - 科学技術・イノベーション - 内閣府 (cao.go.jp)
*2 SIP第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築」ホーム|国立国際医療研究センター (ncgm.go.jp)
1.取り組み内容
我が国がめざす将来像として内閣府が推進するSociety 5.0 *3 においては、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積され、このビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間に様々な形でフィードバックされることをめざしています。医療・ヘルスケア分野では、「現場のリアルワールドデータをもとに、医療・ヘルスケアの情報を構造化し、現場に還元されること」が求められ、そのためには、医療・ヘルスケア、研究開発、医療政策のそれぞれの現場で、情報の活用場面と活用のための課題を可視化し、そこから得られる新たな気づきに基づいて、医療・ヘルスケアに関するシステムや情報と連携することで、健康促進、最適治療、生活支援といった課題に取り組む必要があります。
本研究で開発予定の「ライフレコード型デジタルツイン」は、未病・健常な段階から疾病発症、その後の経過・予後に至るまでの、医療・ヘルスケア情報が蓄積された情報基盤に、ウェアラブルデバイスで取得する活動データを掛け合わせ、データサイエンス手法を用いた疾患リスクの予測アルゴリズムを適用し、疾患予防・経過予測を行ったり、最適な疾病予防法・治療法などの情報を個人や医療者に提供するシステムです。
本研究では日本電信電話株式会社(以下「NTT」) グループの約20万人の社員コホートを対象にし、入社時からの縦断的な健診情報などを活用し、特に生活習慣病に着目した疾病予測リスクを算出するアルゴリズムを構築し、利用者向けに可視化する「ライフレコード型デジタルツイン」を開発する予定です。NTTライフサイエンスは東京大学の共同研究機関として研究開発を推進します。(別紙1 プロジェクト概要図 参照)
*3 Society 5.0 - 科学技術政策 - 内閣府 (cao.go.jp)
2. 本研究開発における各機関の役割
■NTTライフサイエンス
・コホート構築と得られた経時的な医療ヘルスケアデータのデータベース化
・デジタルツインのシステム化とユーザインタフェース開発
・デジタルツインの実用化とエコシステム構築
■東京大学
・デジタルツインの基盤技術・アルゴリズム開発
・医療デジタルツインのデータサイエンティストの育成
NTTライフサイエンスは、本研究を通じて得られる成果の社会実装に取り組み、情報技術やビッグデータの解析、デジタルツイン技術を予防、健康分野に活用することによって、健康社会づくりに寄与する社会貢献と、一人ひとりの well-being の実現に向けて取り組んでまいります。
<本件に関するお問い合わせ先>
NTTライフサイエンス株式会社
プレシジョンサービス部
Email: nttlsc-ps-ml@ntt.com